|
アーユルヴェーダで治す「偏頭痛」
■「偏頭痛」の二つの原因
「針で刺すような痛み」とか「頭が割れそうな痛み」などの苦痛を体験する偏頭痛の原因には、二つのタイプがあります。
そのひとつは、緊張や疲労、不規則な生活によるものです。
なぜ、これが頭痛につながるかというと、活動と休息とのリズムが不規則になったり、両者のバランスがくずれたりするためです。
これは、ヴァータ・ドーシャに関係します。
また、もうひとつの原因としては、便秘から偏頭痛が起きることが考えられます。あるいは、消化がうまくゆかないことから来ていることがあります。胸やけとか胃酸が出るとか、喉の渇きとか、太陽の強い光で頭痛が起きることもあります。
こちらは、ピッタ・ドーシャに関係します。
■生活習慣を改善する
では、どうしたらいいか。
まずは、生活のしかたを改善することです。とくに夜更かしはいけません。昼間活動したら、夜は十分な睡眠をとることです。
それから、心配症もよくないので、考え方を変えてみるようにするとか、環境を整えるなどの対策があります。
食事法としては、刺激物をとらないことです。極度に辛いものはだめです。
コーヒー、アルコール、タバコなどの嗜好品のとり過ぎは、よくありません。便秘が原因なら、まず便秘を治すことです。
■ギーを鼻腔にいれる
経鼻法というアーユルヴェーダ特有の治療法を教えましょう。
ギーを点鼻、つまり鼻の穴から垂らす方法です。
以下は、ギーの作り方です。
無塩バターを温めます。
やがて水分がなくなります。
そして、透明な脂になります。
そこで、火を消します。
常温で固まるので、湯せんをして溶かします。
このバター・オイルを、二滴ずつ鼻孔にいれます。
横になるとか、座って、目薬をさすときのように頭をそらし、鼻孔のなかにギーをいれ、それをゆっくりと吸い込みます。
片方の鼻孔にギーがはいったら、反対の鼻を少し押さえ、いれたほうからゆっくりと息を吸い込みます。
こんどは、さっきとは別の側の鼻孔に二滴のギーをいれます。
そして、またゆっくり吸い込みます。
それにより、ギーが鼻の奥まで浸透してゆきます。
それが時間とともに、しみこんで口の唾液の分泌が刺激され、脂っぽさや匂いが唾液に混じってくることがあります。
そのときは、それは老廃物が含まれていますので、飲み込まずに吐き出してください。
五分か十分たったら、お白湯で二、三度、うがいし、口をすすいでください。
一日一回、ひどいときには二回行います。
持続することが大切で、偏頭痛にたいし、すぐれた治癒効果を発揮します。
この方法は、偏頭痛以外の頭痛にも効き目があります。
また、アーユルヴェーダでは、ギーを指先で額に塗って、マッサージすることも勧めています。 |
|