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アーユルヴェーダの季節
●春・・・冬のあいだに蓄積されていたカパは、春の日差しのなかで溶けだして、悪化することになります。
悪化したカパは、消化力を弱め、冬にくらべて食欲が落ちます。
ピッタは春から旺盛になります。暑くなると、ピッタが増して乱れます。
住まいは快適な温度に保ち、寝室は花で飾るなどして、春の美しさを楽しむようにします。
服装は若やいだ色、温かい色などを選ぶとともに、カパを抑える赤系統の色の利用もよいでしょう。
カパ・ドーシャの増悪を防ぐのに、ジョギング、水泳、サイクリングなど、好きな運動やスポーツを毎日、少しずつやるとよいでしょう。
昼寝はカパを増やすので、避けましょう。
牛肉、豚肉、卵、カニ、エビ、ヨーグルト、ケーキ、アイスクリーム、甘いもの、ナッツ類や油をたくさん使用して調理した食べ物は、春には控えるようにしてください。これらは重性の、消化に時間のかかる高カロリーの食べ物だからです。
小麦、大麦、米、肉なら、鶏、羊などがいいでしょう。
●夏・・・春から旺盛になっていたピッタが夏になるとさらに増悪します。
部屋を涼しくすることや、水や花を利用して清涼感を漂わすことも大切です。水泳や森林の散歩や山歩きを適度にします。
陽射しが強まる夏は、体力と抵抗力がもっとも弱くなる季節です。激しい運動や性行為は控えめにしてください。
消化しやすく、体にエネルギーを与える食べ物をとります。米や麦、牛乳、ギーなどの、わずかに甘味をもつ、流動状のもの、消化に負担をかけない程度の脂肪や体を冷やす食べ物が必要です。とくにブドウや桃はよいです。
温かい風呂への短時間(10分)の入浴はよく、毎日、冷たいシャワーで汗を流すのもいいです。
塩辛いものとか、辛いものは控えましょう。キュウリ、里芋、バナナ、ホウレンソウ、玉ねぎなども夏に適した食品です。
●秋・・・日本の台風シーズンは、ピッタを増加させます。
アーユルヴェーダによれば、この季節の水が一年じゅうでもっとも健康にいいとされます。
月が冴えわたり、体にクールな影響をもたらします。自然界には、塩辛い味が増えてくるため、夏のあいだ衰弱傾向にあった体力と消化力は回復に向かいます。
直射日光による日光浴は秋には禁じられています。秋の月見はピッタを緩和し、健康に好影響をもたらすため、アーユルヴェーダでは推奨されています。
涼しくなるにしたがい、冷たい飲み物や水分の量を減らし、運動量を少しずつ増やしてゆきます。
絹製やレーヨンの衣服、白、緑、青などの色を身につけるといいでしょう。
秋の食事として、ピッタを緩和するギー以外は、動物性脂肪、油脂類を減らすのがいいでしょう。ごま油の使用は控え、塩分や魚類、牛肉、ヨーグルトも控えましょう。
生野菜や緑黄野菜はお勧めですが、ピッタを上げる酸っぱい味のドレッシングに注意してください。
苦い味の野菜や甘いものは、ピッタにとってはいいです。
●冬・・・冬は太陽がもっとも南に行き、月の影響が大きくなります。
自然界に甘味が増えるこの季節には、体力や抵抗力が一年じゅうで最大になります。食欲もいちばん旺盛になります。
冷たい北風の影響により、ヴァータやカパが蓄積されます。初冬にもっとも強かった体力や抵抗力は、太陽が北行を始める厳冬期には、減少の方向に転じます。自然界に苦味が増しますが、体力や抵抗力や消化力はいぜんとして強さは保っています。
十二月、二月の三カ月に守るべき暮らし方ですが、まず、日光浴をし、夜の外出はなるべく避けます。月を見るのも避けます。
服装は暖色系の色で、素材はウールがいいでしょう。厚い服や手袋や帽子で全身を寒さから守ります。
冬は夜が長いので、朝の起床も遅くていいように思われがちですが、本当は冬季でも、日の出前に起きて体を動かすことが健康にいいとされます。厳冬は冷たい風により悪化したヴァータを緩和するのに、オイルマッサージが必要であり、有効でもあります。運動の必要性も高まります。
食べ物は、カロリーを高めにする必要があり、「重性」の食べ物をとります。脂っこいものやいろいろな肉類、魚類、それから菓子が冬にいいとされるものです。
穀物類、豆類、ナッツ類、果物や野菜など好みのままにとってください。甘味、塩味、酸味、辛味など、味つけは好みのままに調理してください。 |
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